Strapi(ストラピ)は、Node.js をベースにしたオープンソースのヘッドレスコンテンツ管理システム(CMS)です。構造化されたコンテンツを作成・管理・配信するための柔軟なプラットフォームを提供し、コンテンツを API 経由でウェブサイトやモバイルアプリケーション、その他のデジタルチャネルへ配信できます。
主な機能
APIファースト設計
Strapi は、ユーザーが定義したコンテンツ構造に基づいて REST および GraphQL API を自動生成します。これにより、コンテンツの取得や配信を柔軟に行うことができ、ウェブ、モバイル、IoT などあらゆるフロントエンドと統合可能です。
コンテンツタイプビルダー
管理画面内で視覚的にデータモデル(コンテンツタイプ)を定義できるツールを備えています。テキスト、数値、メディア、コンポーネント、リレーション(関連付け)など、多彩なフィールドタイプに対応しており、シンプルなブログから複雑な構造のデータまで対応可能です。
ロールベースのアクセス制御(RBAC)
ユーザーごとに権限を細かく設定できるアクセス管理機能を提供します。管理者や編集者、開発者など、役割に応じた制御が行え、企業チームや多人数での運用にも適しています。
プラグインベースのアーキテクチャ
Strapi はプラグインで機能を拡張できます。ファイルアップロード、メール送信、国際化(i18n)、APIドキュメント生成などの基本機能はプラグインとして提供されており、必要に応じてカスタムプラグインの開発も可能です。
国際化対応(i18n)
多言語対応が可能で、各言語ごとにコンテンツを管理できます。グローバル展開を目指すウェブサイトやアプリケーションに最適です。
カスタマイズ可能な管理画面
React で構築された管理パネルは、ブランドやワークフローに合わせてカスタマイズ可能です。テーマの切り替え(ダーク/ライトモード)、フィールドのバリデーション設定、ドラフト機能などをサポートします。
技術構成
Strapi は Node.js(Koa フレームワーク使用)で構築されており、SQLite、PostgreSQL、MySQL、MariaDB などの主要なリレーショナルデータベースに対応しています。構成ファイルと環境変数により柔軟な設定が可能です。
アプリケーションは、コントローラー、サービス、ルーティング、ポリシー、ミドルウェアといった構造で整理されており、拡張性と保守性に優れています。
デプロイと運用
Strapi はローカルサーバー、クラウド環境、Docker コンテナなどにデプロイ可能で、CI/CD パイプラインとの連携にも対応しています。また、公式のマネージドホスティングサービスも提供されており、スケーリングやバックアップが自動化されています。
静的サイトジェネレーター(Next.js、Nuxt、Gatsby など)や SPA(シングルページアプリケーション)との組み合わせにより、JAMstack 構成でも活用されています。
主なユースケース
-
コンテンツ中心の企業ウェブサイト
-
モバイルアプリ用バックエンド
-
ECサイトの商品管理
-
デジタルマガジン・メディアサイト
-
社内ポータルや業務ツール
Strapi は、外部API、認証サービス、マーケティングツールなどとの統合も可能です。
ライセンス
Strapi は MIT ライセンスの下で提供されており、個人利用・商用利用の両方が可能です。一部のエンタープライズ機能(詳細な監査ログ、より高度なアクセス制御など)は商用ライセンスで提供されます。